2022年– date –
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自立と自律
親が、というより人間が自分の人生を充実させるためには何が必要なのか。子どものお手本になるためではなく、自分が幸せに生きていくために必要なことは何なのでしょうか。 私は、「自立と自律」の二つの柱が大きなポイント、指針になると思います。自立していること。自律できていること。 私がここで言う「自立」は、単に経済的な援助を、親を含めた他者から得ていないというだけではなく、精神的・思考的な自立を指します。言い換えれば、自分の頭で考え、自分の言葉で話すということです。これは容易なようで... -
考える力
自分の頭で考え、自分の言葉で話すということは容易なようで、かなり難しい。なぜなら、現代社会では、とにかく情報量が多い。インターネットの普及後はそれに拍車がかかっています。このような状況では、相当に注意していないと、自分にとって都合のいい情報のみを無意識に選択し、さらにはそれをあたかも自分の意見であるかのように扱ってしまう危険性があります。 これは単に他人の意見に流されるということではなく、自分の頭で考えることができなくなっているということに他なりません。さらに怖いのは当人に... -
自利利他
これは仏教の言葉で、色んな解釈があるようですが、私は「自分の利益のために頑張ることが、周りの人の利益にもつながる」と解釈しています。 「自分よりも子どもが大事だ」という親はたくさんいますが、そういう人に限って「自分のために」頑張っていない場合が多い。 まずは親として「自分の人生を充実させる」。 それを子どもに見せる。 いわゆる「背中を見せる」というやつです。 それが子どものためになるか、ならないかは言うまでもありません。 「子どもを変えたい」なら、まずは自分が変われるかを試して... -
1時間前の自分
例えば子どもが1時間くらい勉強する。 そのあとに、「1時間前の自分より良くなった?」と聞いてあげてみてください。 「〇〇という漢字は確実に覚えたよ」「計算の間違いが少なくなったよ」というように答えることができたら、その時間は有意義だったという証明になります。 これをいつも聞いてあげると、子どもは「この時間は何を学んでいるか?」を常に意識するようになります。少し前の自分よりステップアップしていたら誰でもうれしい。 私たち大人も、「今の自分は1時間前の自分と比べて何か学んだかな?... -
才能とお金
『悪銭身に付かず』という言葉があります。 努力もしないで稼いだお金はすぐに無くなるという意味ですね。 別に大した努力もしてないのに、足が速かったり、勉強ができたりする生徒がいます。要するに、生まれ持った才能がある生徒です。 ところが、この才能は中学生までしか通用しません。だいたい高校受験を境に地道な努力をする生徒には勝てなくなります。 つまり、いくら生まれ持った才能があっても、その比率は年を重ねていくほど小さくなっていくということです。 才能だけで生きていけるほど甘くはない。 ... -
親の本能
今から1300年以上前に編纂された万葉集に「銀も金も玉も何にせむに勝れる宝子にしかめやも」という和歌があります。 簡単に言えば、「どんな宝石も宝物も子どもに勝るものはないよね」という意味です。 私が、古典を読んでいて思うのは、「今も昔も人間は基本的に変わっていない」ということです。些細なことで悩み、恋愛しては楽しみ、また苦しみ、そして子どもを何よりも愛する。 ですから、新しい可能性を探ることももちろん大切である一方で、人間が持つ本能を理解し、それに逆らわないことも幸せに生きるうえ... -
何のために生きているの?
人は自分の意思で生まれてくるわけではありませんが、生まれてきた以上は生きていかなくてはなりません。 これはある意味理不尽な話です。 自然の摂理として、自分の意思に関係なく、この世にポンと産み落とされ、物心つき、そのまま生きていく。 私たちは何のために毎日生きているのでしょうか。 こう問われて、即答できる人はなかなきないと思います。 私たちは幸せになるために生まれ、そして生きているのです。 言い換えれば、「限られた人生の中で、できるだけ多くの楽しい時間を過ごす」ために生きている。 ... -
まず親が自分自身と向き合う必要がある
親の愛情が子にとってどれだけ大切なのかは、誰もが知っていることです。 しかし、その愛情をどう表現すれば子どものためになるのかを知らない、もしくは子どものためにと思ってしていることが逆効果になっているケースがとても多い。 これは当然と言えば当然で、親は子どもにとって唯一の存在ではあるけれども、だからと言ってその子の教育について唯一の存在であるとは限りません。 むしろ、我が子だからこそ見えなくなる部分がある。近すぎるゆえに見えない。 そして、そのことに気づいていない。 手を抜いてき... -
義務教育と野菜
日本は憲法において、「子どもに教育を受けさせる義務」が親(またはそれに代わる保護者)に課せられています。 いわゆる「義務教育」です。 これはよく勘違いされていることですが、「義務教育」とは、「中学生までは誰でも勉強しなければならない義務がある」ということではありません。 義務を課せられているのは、子ではなく親の方です。 簡単に言うと、日本の国民である以上、親は子どもに何とかして勉強させなければならないということです。 どうすれば子どもが勉強するのか しかし、誰でも知っているよう...
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