義務教育と野菜

日本は憲法において、「子どもに教育を受けさせる義務」が親(またはそれに代わる保護者)に課せられています。
いわゆる「義務教育」です。

これはよく勘違いされていることですが、「義務教育」とは、「中学生までは誰でも勉強しなければならない義務がある」ということではありません。
義務を課せられているのは、子ではなく親の方です。

簡単に言うと、日本の国民である以上、親は子どもに何とかして勉強させなければならないということです。

どうすれば子どもが勉強するのか

しかし、誰でも知っているように、子どもに勉強させるのは簡単ではありません。

私は、子どもにとっての勉強は、「野菜」のようなものだと思います。
子どものころから、野菜を喜んで食べる子はあまりいないでしょう。
基本的に食べたいものではない。できれば避けたい。

親は子どもの発育に野菜が持つ栄養が不可欠であることを知っています。
だから何とかして食べさせたい。でも子どもは食べない。
親は「食べなさい!」子どもは「イヤだ!」
これを繰り返すうちに、親は根負けします。
大した栄養なんか取れない野菜ジュースなどを飲ませて、ごまかすようになる。
そして、食生活が乱れていく。

勉強をイヤになる過程と似ていませんか?

バランスよく栄養をとらせるには、親が努力し、工夫するしかありません。
少しでもおいしく食べられるように料理する。
一生懸命作った料理はおいしそうに見えます。
そうすると、肉や魚、野菜のおいしさに気づく。

人間は誰でも、新しい知識を得ること、学ぶことに楽しさを感じる本能をもっています。
親がそれを体現し、見せてあげることで、子どもたちもその本能に目覚めます。

		
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